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ケース②

ドキュメント内 国立天文台ニュース | 国立天文台(NAOJ) (ページ 37-40)

 補修には、くいさき(喰裂)にした和紙を使います。破れの部分より長めの和紙を用意し て(①)、破れの下にクッキングシートを敷いて、水で薄めたでんぷん糊を和紙に塗り、さ らに上からクッキングシートをあてて、へらで押さえる(②)。そして、厚紙や板を当て重 石になる物を載せて、十分に乾かしたら、はみ出た部分を切って(③)、直していきます。

●修復以前に日頃心がけていること

 図書室の蔵書管理や資料保存で、補修以前にとても大切なことの一つが定期的な「清掃」

です。資料に付着したチリや埃、指の油分は、虫の発生やカビの温床となり、そこから傷み につながっていきます。資料や書架を清掃しながら、傷んでいる資料はないか、傷みそうな 資料はないか、資料が窮屈に配架されていないかなどをつぶさに点検していきます。また、

図書室では年に1度、蔵書点検という、いわゆる棚卸し作業をするのですが、1冊ずつ資料 を見ていく作業は、普段の清掃とはまた違った目線で保存状態を確認するいい機会となりま す。ここで早い段階で資料の異変に気付くこともあり、資料の劣化予防につながっていると いえます。

 紙資料の日頃の清掃は、主にドライクリーニングを施します。クロスや刷毛を使うときは、

決してやりすぎず、力を入れすぎず。やさしく、ていねいに、焦らないことに留意します。

このとき、埃などを吸い込まないように、健康保護のためのマスクをつけることも大切です。

■日頃の清掃の手順

₁ とても細かい繊維(マイクロファイバー製など)のクロスを使って、表面のチリや埃を 取り除いていく。

₂ 本体に埃が入り込まないように、しっかりおさえながら埃を拭う。

₃ 刷毛を動かす方向に注意しながら、見返しのノドを刷毛で払う。

₄ 毛先のやわらかい刷毛も使って埃を掃く。

●利用者のみなさまへ

 もし、壊れた資料、壊れそうな資料、資料についたカビなど、異 変を見つけたら、ぜひ図書室スタッフに声をかけてください。また、

ページにマーキングの際には、付箋よりも「しおり」をオススメい たします! 付箋も、テープの接着面が資料に残ってしまいますの で…(右画像)。

 資料は、大いに利用してこそ価値のあるものですが、一方で後世に残すべき貴重な学術・

文化遺産としての側面もあります。できるだけ資料に“やさしい”ご利用をお願いいたします。

●私は、もともと資料保存や補修について興味がありましたが、資料に触れる機会の増加とともに、傷みや劣化と出会うことも多くなり、「何かできることはな いかな」と具体的な補修作業への関心が高まりました。そんな折、国立国会図書館の資料保存研修(2008年10月)や国立女性教育会館の女性情報アーキビ スト養成研修(2015年12月、現・アーカイブ保存修復研修)、国立国会図書館の保存フォーラムなどを受講する機会に恵まれ、補修に関する基本的な考え方や、

実習を通した保存技術や整理方法を実践的に学ぶことで、体系的な方法論を得て、実際の補修作業に取り組めるようになりました。さらに補修作業を通じて、

資料保存への理解がより深まり、図書室の蔵書管理や資料に対する責任の自覚にもつながってきたように感じます。これからも常に「書棚」から学びのヒントを 得ながら、少しずつ補修技術の研鑽に努めていきたいと思います。最後に、上記のさまざまな研修でお世話になった方々、また、この原稿について具体的なア ドバイスをいただいた株式会社資料保存器材の伊藤美樹さんに御礼を申し上げます。

ケース①

ケース②

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●こよみ文化ミニフォーラム

 暦文協★01の活動も7年目に突入、まず、

初の試みとして、4月6日のJCAL 2018 年版カレンダー新作展示会にて「こよみ 文化ミニフォーラム」を開催、約80名 の参加をいただきました。

 フォーラムではまず、暦の会・ザ ラ ンス代表の石原幸男さんより「閏秒と潮 汐摩擦」について、月光天文台の蒔田裕 成研究主任より「世界のこよみ」につい て、暦の会の小田島梨乃さんより「大小 暦★02の分類と発展」についての報告・

紹介が行われました。

 続いて、獨協大学専任講師の阿部明日 香博士から「茶の間のルノワール~カレ ンダーがもたらした視覚体験」と題した ミニ講演が行われました。不特定多数を 対象とし、発行部数も多く、1度飾られ ると一年を通じてその空間を占め続ける といったカレンダーの特徴が、絵画を注 視して向き合うのではなく、気楽に日常 へと取り込む視覚体験をもたらし、西洋 絵画のイメージを広く一般に広めるのに 大きな役割を果たしたとのことです。

●第7回総会&講演会

 8月26日には、東京大学弥生講堂一条 ホールにて総会&講演会を開催、約100 名の参加をいただきました。

 まずは学習院大学文学部の佐野みどり 教授から「待つと惜しむの美学―日本美 術に見る季節」と題して、日本美術の代 表的なモチーフ「花鳥風月」に描かれる 季節の移ろいから、「待つ:いち早く季 節の訪れを察知する喜び」「惜しむ:去 り行く季節を惜しむ心」といった美意識 が育まれた、永遠不変の美に憧れるだけ ではなく、移ろうがゆえに美しいと感じ るのが日本美術における花鳥風月の美学、

といった講演をいただきました。

 続いて、パネルディスカッション「季 節とこよみ」では、山階鳥類研究所所 長・暦文協常務理事の奥野卓司博士も交 え、タイや中国との比較、近代の自然史 にもつながるような写実的絵画、「風月」

のとらわれ方、文人画など、日本美術に 関するさまざまなトークが進みました。

 総会では、設立10周年に向けて準備 金を積立始める等の事業報告や会計報告 などが承認されました。

●新暦奉告参拝

 12月3日カレンダーの日★03には、恒 例の新暦奉告参拝を明治神宮にて実施、

約70名の参加をいただきました。

 日曜日開催ということで多くの観光客 が見守る中、参拝は神楽殿前からの参進 に始まり、本殿奥にて参拝・玉串拝礼、

その後神楽殿にて祈願の祈祷、巫女舞の 奉納という形で執り行われました。

 参拝の後は参集殿にて、國學院大學神 道文化学部の石井研士教授から「日本人 の一年―変わりゆく心性」と題して、衰 退する稲作関連行事、継続しつつも変貌 を見せる行事、定着したキリスト教行事 など、年中行事の調査から見える日本人 の一年・季節感の変遷について講演いた だきました。

 暦文協では今後もさまざまな形で、活 動を続けていく予定です。

「一般社団法人 日本カレンダー暦文化振興協会 2017年の活動」報告

片山真人(天文情報センター)

お し ら せ

No.

05

2017

研究報告。

獨協大学 阿部博士によるミニ講演。

学習院大学 佐野教授による講演。

パネルディスカッションの様子。

参拝の様子。

國學院大學 石井教授による講演。

★01 暦文協

一般社団法人 日本カレンダー暦文化振 興協会の略称(国天ニュース2011年10 月号参照)http://www.rekibunkyo.or.jp/

 

★02 大小暦は2018年暦文協オリジナ ルカレンダーの題材にもなっています。

★03 国天ニュース2017年3月号など を参照

 平成30年2月1日、官報にて平成31年

(2019)暦要項を発表しました。

http://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/yoko/

●春分の日、秋分の日は、それぞれ3月 21日、9月23日になります。

・「天皇の退位等に関する皇室典範特 例法」がこの年の4月30日に施行、

翌日には天皇誕生日は12月23日か ら2月23日に改められます。これに より、この年には国民の祝日として の天皇誕生日はないことになります。

●日食が3回、月食が2回、水星の日面 経過が1回あります。

・1月6日には部分日食があり、日本 では全国で部分食を見ることができ ます。

・7月17日には部分月食があります。

日本では一般に、南西諸島・九州地 方・四国地方(東部を除く)・中国地 方(東部を除く)で見られますが、月 食が始まってまもなく月が沈みます。

・12月26日には金環日食があります。

日本では全国で部分食を見ることが できますが、東日本や北日本では日 食の途中で太陽が沈みます。

・ほかに、1月21日には皆既月食、7 月3日には皆既日食、11月11日から 12日にかけては水星日面経過があ りますが、日本では見ることができ ません。

※各地の詳しい予報については暦要項の ほか、暦計算室ホームページでもお調べ いただけます。

 さて、これで恒例の暦要項発表は終わ りましたが、新元号の発表がいつになる のか、祝日がどうなるのかなど、まだま だ今後の推移を見守っていく必要はある でしょう。

 そもそも「平成31年」暦要項として 発表するのを決めたのも特例法施行日の 決まった昨年12月のことでした。本暦 要項では一貫して平成31年と表記して おりますが、必要に応じて適切に読み替 えていただければと思います。

次 号 予 告

4月号は、国立天 文台の6代目台長に就 任した常田佐久新台長 の抱負ほかの記事を

お送りします。

国立天文台ニュース

NAOJ NEWS No.296 2018.3 ISSN 0915-8863

© 2018 NAOJ

(本誌記事の無断転載・放送を禁じます)

発行日/2018年3月1日

発行/大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 国立天文台ニュース編集委員会

181-8588 東京都三鷹市大沢2-21-1 TEL 0422-34-3958(出版室)

FAX 0422-34-3952(出版室)

国立天文台代表TEL 0422-34-3600 質問電話TEL 0422-34-3688 国立天文台ニュース編集委員会

●編集委員:渡部潤一(委員長・副台長)/小宮山 裕(ハワイ観測所)/秦 和弘(水沢VLBI観測所)/勝川行雄(SOLAR-C準備室)/

平松正顕(チリ観測所)/小久保英一郎(理論研究部/天文シミュレーションプロジェクト)/伊藤哲也(先端技術センター)

●編集:天文情報センター出版室(高田裕行/ランドック・ラムゼイ)●デザイン:久保麻紀(天文情報センター)

★国立天文台ニュースに関するお問い合わせは、上記の電話あるいはFAXでお願いいたします。

なお、国立天文台ニュースは、https://www.nao.ac.jp/naoj-news/でもご覧いただけます。

この冬の東北は寒さが厳しい冬でした。今まで見たことない額の光熱費を見て目を疑いました…(は)

家族がインフルエンザになっててんてこ舞い。私は鼻水が出て頭が痛くても、熱は上がらず。ただの花粉症と思いたいが…。(I)

1月から3月は講演ラッシュ。北は釧路、南は倉敷まで全18講演。アルマ望遠鏡の知名度はまだまだ低いので、これからもいろんなところに飛んでいきます。(h)

初めて深大寺のだるま市へ。新スーパーコンピュータの安定稼働を祈念してだるまを購入。お坊さんに片方の目に「阿」を入れてもらいました。(e)

年度末恒例の会議と出張ラッシュも来週の天文学会で終わります。多方面の方々と色々と話ができて実りの多い出張だったが、家族には迷惑をかけてしまっている。来年こそは こんなことにならないようにしようとそのときは決意を固めるのだが進歩がない。(K)

最近研究室の窓を外から「コン。コン」と叩くような音がよくするのです。しかし研究室は2階。こ、これは怪奇現象……!? と思っていたのですが、どうも鳥が体当たりして いるようなのです。音の正体は分かったものの、何度も繰り返して体当たりしていて、大丈夫? これは何かの前兆か? と気になる春先です。(κ)

自分が生まれた年にできた観測所が閉鎖するのは感慨深いものです。私も店じまいの準備をしなくては。。。(W)

編 集後記

平成31年(2019)暦要項を発表しました!

片山真人(天文情報センター)

お し ら せ

No.

06

1月6日 部分日食。

2 0 1 8

02

0 1

12月26日 金環日食。

■ 訃報 2018年2月5日に初代国立天文台台長の古在由秀氏がお亡くなりになりました。次号で追悼記事を掲載の予定です。

ドキュメント内 国立天文台ニュース | 国立天文台(NAOJ) (ページ 37-40)

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